ロックマンDASH 5つの島の大冒険! レビュー
トップ > DASH関連作品 > 5つの島の大冒険! > レビュー
個人的観点から見たレビュー(批評)
・ 本作の概要
・ ストーリー
・ 操作方法、オプションについて
・ BGM&SE
・ ゲームシステム&アイテムについて
・ 総評

◎ … 非常に良い
○ … 良い
△ … どちらとも言えない
× … 悪い(次回作で改善してほしい)
本作の概要
「DASH2」から8年(携帯向けとしては「DASHゴルフ」から5年)を経て登場した完全新作。
リアルタイム3D描画エンジン“MascotCapsule”を利用した3Dグラフィックを採用し、
大容量を活かしたイベントデモ、5つの島に各7ステージ(全35ステージ)という大ボリュームを実現。
人気キャラ多数登場の他、アイテム開発・武器カスタマイズといったやりこみ要素も充実している。

◎ ロックマンDASHシリーズファン待望の完全新作
携帯向けとは言え、続編が絶望視されていたシリーズなだけにとても嬉しい作品。

◎ 大容量を活かした3Dグラフィック&ストーリー
ステージ開始前のイベントデモで、場面に合わせて登場人物達が表情豊かに動く。
制約のある中で、グラフィックは「DASH」に近いレベルにまで作り込まれている。

× どうして“携帯向け”なのか?
待望の新作がどうして携帯向け、しかもドコモのFOMA903i以降機対応なのか?
携帯電話はゲーム機よりもずっと価格が高く、難解な契約手続きを行う必要がある。
しかも現時点では、配信がドコモの携帯に限定されているなど疑問点が多過ぎる。

会員手続費や通信料など、遊ぶ為にもかなり費用がかかるので手を出し難い。
“DASHファンが遊びたくても遊べない”という最悪の状況を作り出している。

× 宣伝が足りない
携帯向けという事もあって仕方がないとは思うのだが、明らかに宣伝の量が足りない。
折角用意された体験版についても、配信されている事に気付かなかったファンが多い。

× 宣伝用の画面写真の質が劣悪
実際に遊んでグラフィックを比較してみると分かるが、
公式サイトなど、各サイトで紹介されているグラフィックと実際のグラフィックを比較すると、
登場人物の顔が崩れているなど、画面写真の質が劣悪である事が非常によく目立つ。
(実際のグラフィックは、ゲーム情報サイトに掲載された写真よりもずっと綺麗になっている)

特に、発表当初に公開されたロールちゃんの顔はあまりにも酷いものだった。
遊んだ事の無い人にアピールする為にも、もっと質の良い写真を掲載すべき。
ストーリー
5つの島を舞台に、ロックとロールの新たな大冒険活劇が繰り広げられる。
ボーン一家やリーバードと戦いながら、島崩壊の前兆を止める為に各エリアを冒険する。
今までのアプリの様な“DASHキャラが登場するミニゲーム”では収まらない内容。

◎ シリーズの人気キャラが多数登場
「DASH」「トロコブ」「DASH2」に登場した人気キャラクターや戦闘メカが登場する。
更に、本作で初登場となる“新種のリーバード”や、色違いなど強力なリーバードも多数出現。
本作で初めて明らかになるシリーズの謎もあり、ファンには非常に魅力のある作品になっている。

○ 外伝的で、短編としても成り立つストーリー
「DASH」「トロコブ」「DASH2」のストーリーと密接な関係を築きつつも、
本作は「トロコブ」の様な、初めてDASHに触れる人でも楽しめる外伝的なストーリーになっている。
勿論、前作までを遊んでいればより楽しめるし、ここから他の作品に触れてもより楽しめるだろう。

○ ほのぼのとした展開
今作は敵キャラなのにどこか憎めない、ボーン一家との駆け引きが多く、
「DASH」の時の様な、ほのぼのとした雰囲気がよく出たストーリーとなっている。
終盤では謎の古代遺跡に挑むなど、シリアスタッチな展開も繰り広げられる。
他のロックマンには無い、このシリーズならではの“古き良き時代の大冒険活劇”がよく感じられる。

△ ティーゼルの頭が悪くなっている
ティーゼルは“見かけによらず知性派”、要するに頭が良いという設定の筈なのだが、
(トロン達のツッコミは面白いが)本作ではことわざを間違えるなど、頭が悪くなっている様に見える。

「DASH」で「窮鼠に猫を噛ませるな!」と難しいことわざを使っていた事などから考えても、
(彼らしい様な気もするが)ことわざを間違えるのはティーゼルらしくないのではないか?
むしろコブン達に「ねーねー、○○ってなあに?」と聞かせる方が良かったのではないだろうか。

△ エリア5は“島”なのか?
太古の塔は、島というよりは古代遺跡群と言った方が正しいのではないか?

× おサルの「データ」が活躍しない
バックアップとセーブ画面にしかデータが登場しない。ストーリーにも絡ませてあげてほしかった。

× 終盤の展開が残念
携帯向けだから、外伝だから… と言ってしまえばそれまでなのだが、
本作では「大いなる遺産」という、シリーズ最大の謎にほとんど触れていない。

また、ロックの過去に関わる“強大な敵”の登場を期待させる内容を散りばめながらも、
結局は登場せず、ストーリーが消化不良に終わってしまっている感が否めない。
エリア4までのストーリーが良かっただけに、終盤が盛り上がりに欠けていてとても残念だった。
(これでは、本作の本編はエリア4までで、エリア5はおまけ程度のものとも感じられてしまう)

しかし、ここでDASHファンが望んでいるであろうとんでもない展開… 具体的に言えば、
古き神々の正体、トリッガーとジュノ以外のロックマンの登場、トリッガーの本来の姿などを出してしまうと、
シリーズが完結して「DASH3」が出なくなってしまうかも知れない(外伝での完結は望まれない)。
ちょっと残念ではあるのだが、ファンとしてはほっとした部分もある… と付け加えておく。

× スタッフロールが無い
それを入れるなら他の部分を充実させるべき、という姿勢だったのかも知れないが、
エンディング(スタッフロール)を入れて欲しかった。クリアした余韻を感じられず、物足りなく感じる。
操作方法、オプションについて
ロックの操作は、基本的に前作までのアクションをそのまま採用しているが、
キーの位置と数の関係上、携帯向けに一部アクションに改修が加えられている。

側転の代わりとして、新アクション「サイド・ステップ」「バックステップ」が加えられた。
また、振動機能を搭載しており、ダメージを受けた時やイベントデモで携帯が振動する。
移動中の方向転換など、操作感覚は「バイオハザード」シリーズのそれに近い。

◎ ロックのアクションを携帯でも再現している
ボタン数の関係で、ロックオン時以外は横移動が出来なくなっているが、
シリーズお馴染みのジャンプ、ロックオンなどの操作を携帯でも再現している。

○ ボタン押しっ放しによるショット攻撃のオート連射
今までの作品と同様、アクションが苦手な人でも簡単に連射が出来る。
ショットボタン押しっ放しでオートロックオンが発動する事も○。

○ 振動機能の搭載
携帯自体が持つ機能を活かしている。戦闘中やデモで場面に合わせた臨場感を感じられる。

△ 警報ランプは必要なのか?
臨戦態勢の敵が近くにいると、ライフゲージ下の警報ランプが点灯するが、
これについての説明がどこにもなく、あまり役にも立たないので必要性を感じられない。
採用するなら機能を強化する(警告音を鳴らすなど)、もしくはいっその事廃止すべき。

× ロックオンが使い難い
ロックオンに成功すると、視点が敵に固定され、左右旋回が横移動に変化。
敵の周囲をぐるぐる回るという「DASH2」と同じ有利な戦い方が出来る様になる。
ショット攻撃を当て易くなり、更に敵を見失い難くなるなどの利点がある。

しかし(ヘルメットで多少改善されるとは言え)、弾道上の敵しかロックオン出来ない、
敵に接近されると強制的に解除されるなど、前作までと比べて不便なところがかなり目立つ。
携帯向けで可能なら、ロックの周囲の敵をロックオン出来るという従来の仕様に戻して欲しい。

× チュートリアルが不十分
ケータイでアクセス出来る公式サイト上に操作説明は一応書かれているが、
ゲーム中で説明されないアクションが多く、初心者には辛い部分がある。
また、ロックオン時の操作変更については公式サイトを含め、どこにも記載されていない。

ディグアウトの進め方(敵を倒すと扉が開くなど)の説明は出来ており、
オプションの「操作設定」で大体の操作方法を知る事は出来る。
しかし操作方法については、ゲーム中でもっと親切に説明してほしかったと思う。

× 後進のスピードが遅い
後方に走って移動するのではなく、すり足でゆっくりと移動するので敵から素早く離れられない。
前作までと同じ様に、後方に走って移動するというアクションに戻して欲しい。

× クイックターンが無い
本作にはクイックターンが無く、横や後ろに素早く振り向きたくても振り向けない。
上述の様に、後進では敵から素早く離れられないので、この事がゲームの難易度を上げている。
クイックターンが無い事は操作面で最も悪く、ファンとしても非常に残念に感じたポイント。

× サイド・ステップとバックステップの存在意義
素早く横、後ろに跳びのく新アクション「サイド・ステップ」「バックステップ」が採用されているが、
サイドにしか無敵効果が無いらしく、効果が分かり難いし、見た目の格好良さも側転に及ばない。
特にバックステップは使い所が無く、全く立たないので何の為に採用されたのかが分からない。
この2つのアクションを入れるならクイックターンを入れるべきだった、とさえ思う。

また、“ボタンを素早く二度押し”という操作方法は採用すべきではない。
アクションが苦手な人には難しい操作なので、1ボタンで発動する様に変えてほしい。
(携帯向けという事もあり、ボタン操作については仕方が無いのかも知れないが…)

× 操作ミスが多発する
これはゲームの問題ではないが、携帯のキーを使用してのアクションは操作が難しい。
間違って別のボタンを押してしまうなど、操作に慣れてもどうしてもミスが多発する。

操作のし難さを考慮したボタン配置は出来ていると思うが、
強いて言えば、方向キーの中央にある決定キーは使わない様にしてほしかった。
(移動中にバスターを誤発する、誤ってロックオン発動などのミスが起こってしまう)
BGM&SE
○ 新規BGMの採用&音質が良い
前作までの曲の使い回しでなく、本作の為に作られた新規BGMが使用されている。
最新機種向けという事もあって、他のロックマンのアプリと比べても明らかに音質が良い。

○ お馴染みのSEを再現
特殊武器の発射音や爆発音など、お馴染みのSEがよく再現されている。
特に、個人的にはブレードアームの攻撃音がPS版と同じなのがとても嬉しかった。

× ボイスが無い
携帯向けなので仕方が無いとは思うが、本作には一切ボイスが無い。
豪華声優陣が演じている事もシリーズの魅力のひとつだったので残念に思う。
タイトルコールや悲鳴など、少しでも入れる事は出来なかったのだろうか?

× BGM(音楽)の数が少ない
これも仕方無いと思うのだが、ステージBGM4曲、ボス戦BGM1曲、マップ画面BGM1曲、
全部で【6曲】しかBGMが無い(ゲームオーバー、ミッションクリアの曲を除く)。

各曲は1ループするまでが長く、長く聴いていても飽き難いところは○だと思う。
しかし(エリア5のBGMを除いて)遺跡の中でも明るい曲調のBGMばかりなので、
薄暗い遺跡の中の怖さ、気味悪さが損なわれている様に思う。
ゲームシステム&アイテムについて
アイテム開発、武器カスタマイズなど、お馴染みのシステムは本作でも健在。
ボリュームがあるので、セーブ&ロード機能など便利な機能も搭載している。

特殊武器の材料や人に渡せるものなど、ゲーム中には数十種類のアイテムが存在。
集めたアイテムでロックをパワーアップすれば、強大な敵にも勇敢に立ち向かえる。
各エリアの商店街で街の人と会話したり、アイテムを売買するなどRPG要素も採用している。

◎ データのバックアップが可能
通常のセーブ&ロードの他に、バックアップデータのアップロード・ダウンロード機能を搭載。
セーブデータを上書き、もしくはアプリ自体を誤って削除してしまった、機種変更を行った場合でも、
カプコンパーティのサーバーにバックアップデータを取っておけば復旧が可能。

最強データをアップロードした状態で、最初からゲームをやり直すなどの応用も可能。
会員登録を解約しない限りデータを保存して貰えるので、とても便利なサービス。

◎ ゲームオーバーになっても再開出来る
所持ゼニーが半減してしまうというペナルティはあるが、本作ではゲームオーバーになっても、
ステージをやり直すかマップ画面に戻るかを選択可能。つまりコンティニューが出来る様になった。
セーブしていなくて最初からやり直しになる、という事が無くなったので非常に良いポイント。

ただし、ゲームオーバーになると“ゼニーが半減する”というペナルティがあるので、
大金を所持していればいるほど精神的なダメージが大きい(ゼニーを稼ぐ事自体は簡単なのだが…)。

◎ ステージセレクトとステージマップを採用
一応フリーランニングRPGなので、一度クリアしたステージと新しいステージしか選択出来ないが、
「トロコブ」の様に、本作ではロックマンシリーズでお馴染みのステージセレクト方式を採用。
次の目的地までの道に迷う事が無く、マップ上からフラッター号や商店街にもすぐに行けるので遊び易い。

ダンジョン内ではステージマップも搭載しているので出口が分からなくなる事も無い。
また、もしダンジョン内で迷ってしまっても、緊急脱出キットを持っていればすぐ帰る事も出来る。
“道に迷って遊ぶのを止めたくなる”という、RPGによくある不満を取り除く工夫がされている。

○ 特殊武器、回復アイテムなど多数登場
多くがシリーズに登場したお馴染みのアイテムで、全く新しいアイテムは少ないが、
特殊武器やパーツ、回復アイテムなど、ミッション中に使える便利なアイテムが多数登場する。
中にはステージを注意深く探さないと手に入らないものなど、アイテムの収集要素もある。

○ SDカードを使用したロード短縮機能を採用
SDカードがあれば、エリア移動(島と島と行き来する際)のロード時間を短縮可能。
制約のある中で、少しでもプレイヤーが快適に遊べる様に配慮されている。

× ロード時間が長い、一部ステージで処理落ちする
本作ではステージ開始前、エリア移動時に長時間のロードを必要とする。
また、画面内に敵が多く出現したりするとゲーム全体の動きが遅くなる(=処理落ちする)。
ゼニー稼ぎの為、短時間で決着の付くボス戦を繰り返していると非常に気になってしまう。

しかし、逆にステージ前のロード時間が長い事によって、
ステージ中にロードが全く行われないという良い面もある(これは◎)。

× 特殊武器に様々な問題がある
ディグアウトにはハイパーシェル&ドリルアーム、ボス戦にはシャイニングレーザー。
ゲーム中には全部で8つの特殊武器が登場するが、この3つの武器だけで全て事足りてしまう。
他の武器の特徴を強調するなどして、 どの武器を装備するか迷うくらいにして欲しかった。

また、エリア3までで全ての特殊武器を開発出来てしまうのは大きな問題。
シャイニングレーザーを強化すればボス戦も楽勝なので、ゲームバランスが崩壊してしまう。
アクションが苦手な人には優しいし、シャイニングレーザーを使わなければ良い話ではあるのだが…
個人的には“エリア5まで進めてやっと全ての武器を開発可能”にすべきだったと思う。

× 回復アイテムの回復量が分かり難い
“ライフを25回復”と言われても、25とは一体どれくらいの量なのか?
“ライフゲージを半分回復”など、分かりやすい効果と説明にすべき。

× 商店街で貰えるアイテムの多くが期間限定
ステージをクリアすると二度と入手出来なくなるアイテムがある。
仮に貰わないままセーブしてしまうと、入手したいなら最初からやり直す事になる。
こういった期間限定のアイテムをゲーム中に登場させるのはやめてほしい。

× 売却アイテムが不必要
売却用アイテムを売るよりもボスと戦い続けた方が高額のゼニーを稼げる。
ボスを倒して賞金が貰えるなら、売却アイテムはただのコレクターアイテムになので不必要。

× クリア後の隠し要素について
マキシマムバスターは強力だが、他のパーツでもバスターの全能力をMAXに出来るので意味が無い。
しかもゲームクリア後に貰えるので、優秀なポテンシャルを持っていてもありがたみが感じられない。

本作では一応データをひとつしか残せないので、実現は難しいとは思うのだが、
シリーズお馴染みのむずかしいモードや、かんたんモードを搭載してほしかった… とも思う。
携帯向けとは言え、一週目で終わらせず、二週目、三週目と遊ばせる工夫が足りていない。
総評
総評(10点満点評価) 7点
総プレイ時間 5〜10時間程度(1エリア約1〜2時間)

ロード時間の長さや操作面、ストーリー展開など、不満点や荒い部分は見られるものの、
アクションが苦手な人向けに難易度を低くする工夫がされており、初めてDASHを遊ぶ人でも楽しめる。
ミニゲーム類を除くと「DASH2」から実に8年振りの新作という事もあり、不安要素も多かったが、
完璧とは言い難いものの、続編を待ち続けたDASHファンの期待に十分応えられる作品だと思える。

惜しむらくは、折角配信されたのにまともな宣伝が行われず、数あるうちの一ゲームになってしまった事、
配信がドコモの携帯限定という事もあり“遊びたくても遊べないDASHファンが非常に多い”という事。
(本作の配信は海外のDASH、「MEGA MAN LEGENDS」シリーズのファンの間でも話題になっている)

今後SoftBank・au版の配信、PSP・NDSなど家庭用ゲーム機への移植が行われたり、
本作の不満点を改善した次回作“ロックマンDASH2(仮)”が配信される事が強く望まれる。


本レビューの内容はあくまでも個人的意見です。ご意見・ご感想などはCAPコブンにまでご連絡下さい。

トップ > DASH関連作品 > 5つの島の大冒険! > レビュー